阿骨打(あぐだ)
女真族の族長の息子で、若きリーダー。勇猛果敢で、遼の支配に喘ぐ女真族の現状を打破したいと願っている。武松の強さに心酔しつつも、慎重な長老たちや武松の説く「時機」を待つ戦略には、若さゆえの焦燥を感じている。後に金(大金国)を建国する歴史上の英雄・完顔阿骨打がモデルとされる。
第16巻「馳驟の章」
第6章 地陰の星
遼の支配下にある女真の地で、潜伏する武松・李逵と共に部族をまとめ上げ、宋の国境を脅かす外交工作を進める。武松の強さに心酔し「良き友人」として慕う一方、力による即時の解決を望む若さゆえの焦燥を抱え、慎重に「時機」を待つよう説く武松との間で葛藤を見せる。
第17巻「朱雀の章」
第1章 天立の星
蔡福・蔡慶兄弟や武松、李逵らとともに、宋と遼の国境地帯で軍事的緊張を高めるための陽動工作に従事する。女真族の若手リーダーとして遼軍の部隊に組み込まれ、劣悪な環境に耐えながら民族の独立を目指して牙を研ぐ。他国の力を利用しつつも、将来的に女真族を統率して新たな国を築くという壮大な志を胸に秘めて行動している。
第6章 地損の星
女真族を率いて遼に対する大規模な決起を宣言し、各地の若者や遼軍から離脱した部隊を統合して独立を目指す。梁山泊の呉用が長老たちを通じて仕掛けた調略を看破しつつ、蔡兄弟が独断で差し出した大量の銀を軍資金として受け取る。蔡兄弟の信義に深く感謝し、自らの人生を賭けて女真の国作りに邁進する決意を固める。
第18巻「乾坤の章」
第6章 地平の星
梁山泊から届く銀の輸送を巡り、遼軍の伏兵に苦しむ楊令たちを援軍で救う。初めて会う相手には容赦のない腕試しを求める実力主義者らしく、若き楊令の力量を見極めようとする。女真の村が急襲され多くの民を失う惨劇に際し、民族全体の存亡を考え、私情を排した苦渋の決断を下そうとする指導者としての一面を見せる。熟女真の拠点・曲江へ一千騎を率いて転戦し、周到な変装工作と鮮やかな用兵で城郭を攻め立て、裏切りを許さない非情な決断力を見せる。
第19巻「旌旗の章」
第1章 地満の星
女真族の族長として、秋の建国に向けて各地の同族を集結させている。梁山泊から送られる兵糧や軍資金の支援を受けつつ、遼を滅ぼし自らの国を造るという志を全うするため、北の地で力を蓄え続ける。
第3章 地醜の星
馬を届けに来た孟康を通じ、楊令へ「死ぬな」という激励の伝言を送る。戦いの合間に女真族の娘の肌を思い出せという冗談を交えつつ、共に新しい時代を切り拓こうとする友としての情を示す。