楊春(ようしゅん)
少華山の頭目。武勇の中に人の心を見抜く洞察力を持ち、その言葉は少ないが一言が重い。三頭目の中でも最も落ち着いた気性を持ち、状況を俯瞰して仲間に核心を突く一言を放つ。
第1巻「曙光の章」
第6章 天微の星
少華山の頭目の一人として、朱武と共に史進のもとを訪れた。史進の武勇を高く評価しつつも、その強さを「孤独で悲しい」と評した。この言葉は、史進が自身の生き方を根本から見直す大きなきっかけとなった。
第2巻「替天の章」
第4章 天間の星
陳達とともに少華山に残り、頭目不在の山を守り抜く重責を担う。限られた兵力の中で州軍の動きを警戒し、遠征軍の帰還まで拠点を維持し続けた。
第3巻「輪舞の章」
第5章 地魁の星
少華山の副頭目として、朱武の知略を用いて八千の官軍を迎え撃つ。大勝を収めたものの、兵を無慈悲に打ち据える史進の苛烈さに心を痛め、独り言のように批判を口にする。史進が魯智深に伴われて修行へ旅立った後は、朱武や陳達とともに山寨の維持に努める。
第4巻「道蛇の章」
第3章 地孤の星
少華山の戦力が千六百人に達し、官軍との戦いに勝利を重ねていることが間者の報告を通じて語られる。副頭目として朱武を支え、山寨が明確な叛乱軍としての色を帯びていく中で組織の維持に努めている。史進が不在の間も、山寨の防衛と戦力の充実を実務面から支える有力な武将として認識されている。
第6巻「烈火の章」
第3章 地狗の星
少華山の副隊長として、帰還した史進を朱武や陳達とともに山寨の門で出迎える。史進が再び隊長として指揮を執ることを宣言した際、兵たちとともに熱狂的な鬨の声をあげて喜びを分かち合う。少華山が単なる賊の集まりではなく、梁山泊に連なる志の集団であることを再確認する場面に立ち会う。
第7巻「烈火の章」
第3章 地周の星
少華山の副隊長を務め、自らの歩兵隊を率いて史進の騎馬隊と激しい調練を行い、官軍の巧妙な挑発に対して屈辱を感じる。史進が下した山寨放棄の決断を、良い頭領を持った喜びとともに受け入れる。
第4章 天勇の星
全軍での撤退に際して最初の千人を率いて夜陰に紛れて出撃し、了義山での作戦後は朱武と連携して兵を梁山泊へと逃がす。
第5章 地賊の星
無事に梁山泊へと辿り着き、晁蓋が立ち会う中で李俊ら他の将領たちと戦略を語り合い、新たな組織の中での己の役割を確立する。
第8巻「青龍の章」
第9巻「嵐翠の章」
第4章 地走の星
二竜山に配属された将校の一人で、解珍からその穏やかで部下思いな人柄を高く評価される。新兵たちが過酷な調練で心を折らぬよう、黄信や燕順の厳しさとは対照的な、包容力のある指導を任されることになる。
第11巻「天地の章」
第1章 地然の星
二竜山で秦明から将校としての「粘り」の欠如を指摘され、解珍のもとに預けられて指揮官としての資質を磨くよう促される。
第4章 天地の星
二竜山の一千五百の補充兵を率いて梁山泊に到着。呼延灼の過酷な選別試験に参加し兵一人一人の事情を汲み取ろうとする。解珍と共に双頭山へ向かい各地の情報を探る任務に就く。
第12巻「天地の章」
第2章 地傑の星
解珍を伴い、猟師に変装して雄州の関勝の野営地を訪れた。猪肉を鮮やかに捌く解珍の傍らで、どこか軍という場所に慣れた気配を見せつつ、緊張感を持ってその場に控えた。
第5章 地隠の星
解珍との長い旅の末、子午山にある王進の隠れ家へと辿り着いた。そこで逞しく成長した楊令と再会し、共に土を耕す生活を通じて、隊長としての己の在り方を見つめ直した。王進が楊令に行う峻烈な稽古を目の当たりにし、真の強さと命の巡りについて深い感銘を受けた。
第13巻「白虎の章」
第2章 地祐の星
解珍との旅から戻り、以前とは見違えるような決断力と兵への教導力を発揮する。秦明の命を受けて二千の兵で青州軍に一撃を加え、深追いせずに撤退するという見事な用兵を見せた。
第3章 地僻の星
秦明の六百騎に続く後続部隊として、歩兵を率いて双頭山の救援に駆けつけた。
第14巻「爪牙の章」
第5章 地強の星
二竜山の戦闘部隊隊長として秦明に野戦の許可を求めるが、犠牲を抑えるために夜襲のみを許される。燕順が清風山で孤軍奮闘する中、不眠不休で敵軍への夜襲を繰り返し、仲間の犠牲を目の当たりにしながら指揮官としての成長を見せる。
第15巻「折戟の章」
第3章 地遂の星
二竜山の戦闘部隊長として最前線に立ち、董万軍との息詰まる対峙を続ける。秦明から撤退する敵への追撃命令が下されると、全騎馬隊を率いて荒野を駈け、燕順を討った敵軍に報復の牙を剥く。実戦経験を通じて指揮官として成長し、大規模な野戦においても部隊を統制する力を見せる。
第16巻「馳驟の章」
第2章 地雄の星
二竜山の将校として、桃花山の練兵場にて新兵たちの調練を粘り強く行い、兵同士の揉め事の解決にも尽力する。副官の郝思文から息子の郝瑾を借り出したいと告げられた際、快く応じて彼を呼び出し、部隊の調和を図る指揮官としての姿が描かれている。
第17巻「朱雀の章」
第4章 地捷の星
二竜山の将校として新兵の調練と防衛を担う。趙安軍が単なる攻撃ではなく、二竜山の防御網に食い込む形で自らの寨を築こうとしている意図をいち早く察知する。
第18巻「乾坤の章」
第2章 地獣の星
二竜山の馬場で騎馬隊の調練を行い、子午山から戻った楊令に趙安の寨の堅牢さと現状の厳しさを語る。
第4章 天哭の星
山の外へ出た七千余の兵を指揮し、解宝の攻城兵器とともに趙安の寨を攻撃する。救援に来た周信との戦いでは楊令に騎馬隊の指揮を託し、その一瞬の勝機を掴む決断力で官軍に大勝利を収める。
第5章 地奴の星
二竜山陥落後、生き残った兵を率いて北へ移動し、兵站担当の李立から兵糧を受け取る。秦明の死を悼みつつも、双頭山奪回に見せかけた陽動という呉用の策を忠実に実行する。
第19巻「旌旗の章」
第2章 天威の星
歩兵部隊を率いて参戦し、呂方の隊とともに童貫軍の激しい正面突破を食い止める。敵軍の圧力に耐えながら楊令ら騎馬隊の援護を得て防衛線を維持し、最前線で兵を鼓舞して長時間の交戦に耐え抜く。
第3章 地醜の星
張清の指揮下で歩兵の第二段を担当し、鮑旭らと交代しながら絶え間なく続く敵の波状攻撃を撥ね返す。騎馬と歩兵を分離した新陣形の中で踏みとどまり、土煙に包まれた過酷な押し合いを指揮する。
第5章 天捷の星
宋江が指揮する歩兵隊の側面を固め、新手の一万と激突して敵陣に隙を作ろうと先頭で奮戦する。兄弟のような存在だった朱武や陳達の死に報いようと、脇腹を刺されながらも敵を押し返す。陶宗旺に背負われて自陣へ戻った直後、見守る仲間たちの前で息を引き取る。