張横(ちょうおう)
水賊出身の水上戦士で張順の兄。水中での戦闘と船の操縦に長けた実力者。荒削りな豪快さを持ちながら弟への兄心と仲間への忠義は篤い。
第4巻「道蛇の章」
第6章 天速の星
江州で戴宗の飛脚屋を拠点に、各地の同志を結ぶ連絡網の統括責任者として活動し、宋江と密かに面会する。宋江から、梁山泊に閉じこもるのではなく全国に「小さな梁山泊」を点在させて面で広がるという新たな戦略を説かれ、深い共感を抱く。学識ある彼は、いずれ来る蜂起の時に備え、宋江という男の器量を冷静に見極めようと対話に臨む。
第5巻「玄武の章」
第1章 地進の星
江州近辺の同志をまとめ、長江の中州に準備していた隠し砦に宋江たちを迎え入れる。砦の中に小屋を建て、官軍の包囲に備えて二百八十名の仲間を集めて待ち構える。宋江の志を支えるために命を懸ける覚悟を固め、島全体を強固な要塞へと作り変える。
第3章 地会の星
官軍の猛攻を耐え忍び、中州の砦での戦闘による損害を戴宗や宋江に報告する。救出に来た李俊や穆弘らの姿を櫓の上から確認し、弟の張順と共に最後まで砦を守り抜く。戦後は、宋江の指示により江州を去り、飛脚屋としての活動を継続して同志の連絡網を強化する道を選ぶ。
第6巻「烈火の章」
第5章 地劣の星
通信網が官軍によって各地で寸断されている異常事態を掴み、戴宗に合流して危急を報告する。戴宗と共に梁山泊と宋江を結ぶ情報の糸が断ち切られた深刻な状況を共有し、打開策を講じる。
第7巻「烈火の章」
第3章 地周の星
戴宗とともに、官軍によって寸断された通信網の回復に腐心し、新たな連絡体制の構築に尽力する。飛脚屋などの外部勢力に依存しない、梁山泊独自の強固な情報ネットワークを確立するための策を練る。三山を結ぶ情報伝達を人体の血の流れに例え、組織の生命線を守る使命感を持つ。
第5章 地賊の星
新たに組織された「長駆隊」の運営を支え、王定六ら俊足の要員を用いた情報伝達体制の維持に全力を挙げる。官軍の動向や不穏な気配をいち早く察知し、首脳部へ的確な情報を届けるための基盤を強化する。三山の結束を通信の面から支え、来るべき決戦に向けた情報収集に奔走する。
第8巻「青龍の章」
第12巻「天地の章」
第4章 地蔵の星
戴宗の下で飛脚屋の裏方の実務を取り仕切り、北京大名府周辺での連絡網を緻密に張り巡らせた。官軍の動向を監視し、冀州信都付近に現れた雄州軍の所在不明などの重要情報を、馬や人を使い分けて迅速に本隊へと伝達した。
第13巻「白虎の章」
第5章 地退の星
公孫勝が開封府で諜報活動を展開する際、人から人へ情報を繋ぐ独自の通信網を提供していることが言及される。この手紙を用いない確実な連絡手段は情報の漏洩を防ぎ、致死軍の隠密活動を支える重要な基盤となっている。張順の兄として培った水上のネットワークを地上での活動へと転用し、梁山泊の情報戦を陰から支えた。
第14巻「爪牙の章」
第2章 天平の星
南京応天府にて飛脚屋を運営していたが、次男・張平の盗癖に悩み、矯正のために彼を連れて旅に出る。旅の途上で、張平が盗みを働いて李逵に捕まり、折檻される場面に直面して父親としての自身の至らなさを痛感する。武松の助言に従い、息子を連れてさらに西へと向かう決意を固める。
第6章 地猛の星
長い旅を経て子午山に到達し、王進に張平を預かってくれるよう懇願する。楊令の礼儀正しい出迎えや王進の深い慈愛に触れ、息子を山に残してひとり南京応天府へと帰還する。
第15巻「折戟の章」
第1章 天英の星
王定六と共に構築した連絡網を駆使し、二十数万の官軍に包囲された各寨の戦況を毎日正確に梁山泊本部へと届ける。
第3章 地遂の星
北京大名府占拠の情報を高俅へリークし、宋朝廷から撤退の勅命を引き出すための緻密な通信工作を支える。戦後は人や馬の飛脚に頼らない、水上連絡網としての「船飛脚」という新たな通信システムの構築に着手する。
第4章 天損の星
造船所を訪れ、張順の下で修行に励む息子の張敬と再会する。弟の張順と子午山にいる次男・張平の身を案じつつ、船飛脚に必要な迅速な軍船の配備について阮小二らと具体的な協議を進める。
第16巻「馳驟の章」
第2章 地雄の星
船飛脚の網を指揮し、女真の地で武器調達にあたる蔡兄弟へ、救援として武松と李逵が向かったことを伝える。大規模な武器輸送の安全を確保するため、海上と陸上を組み合わせた梁山泊独自の通信手段を確立している。
第17巻「朱雀の章」
第1章 天立の星
通信網の責任者として、これまでの飛脚に船を組み合わせた「船飛脚」という新たな高速通信システムを構築し、情報の伝達速度を飛躍的に向上させる。
第3章 天巧の星
開封府に潜入している公孫勝や燕青からの重要な報告を、自身の整備した通信網を通じて呉用や宋江のもとへ迅速に届ける。
第6章 地損の星
通信・物資輸送の要として王定六らと連携し、童貫軍の再出撃や阿骨打の決起といった緊迫する情勢を梁山泊の中枢に伝える。
第18巻「乾坤の章」
第1章 天敗の星
水軍の隊長として、弟の張順や阮小七らとともに官軍の巨大船「海鰍船」への対抗策を練る。戴宗を「大兄貴」と呼んで慕う張順からも厚い信頼を寄せられており、潜水部隊による命がけの偵察活動を後方から力強く支える。
第19巻「旌旗の章」
第1章 地満の星
王定六とともに通信網の再構築にあたり、船飛脚と陸の走者を組み合わせた、以前より迅速な情報伝達システムを確立する。童貫軍との決戦を前に、各地の拠点や部隊間の連携を支える重要な役割を果たす。
第2章 天威の星
水軍の動きをいち早く察知し、宋の水軍が海鰍船を伴って進発したことを船飛脚で本営へ伝える。この報告により流花寨が孤立する危険性が明らかになり、呼延灼らに戦術の再検討を促すこととなる。
第6章 天魁の星
梁山泊の陥落が不可避となった際、宋江の命令を受けて兵や文治省の人間を脱出させるための船を確保する。撤退作業を円滑に進めるため、項充らとともに戦線を離れて船着場の管理と船の運行に奔走する。