張順(ちょうじゅん)

水中戦闘の名手。水の中を泳ぐように自在に動く技術は梁山泊随一で、その白い肌が水面に浮かぶ様子から綽名を持つ。快活で陽気な性格の持ち主で、水上作戦の先陣を切る。

第4巻「道蛇の章」

第6章 天速の星

長江の魚を巡る騒動で李逵と大乱闘を起こし、泳げない彼を水中に誘い込んで圧倒的な実力で見せつけて制圧する。張横の異母弟であり、普段は漁師の中に紛れながら役所の船を襲って叛乱資金を調達する水上の賊の頭目であることが明かされる。宋江を交えた宴席では、互いの勇気を認めた李逵と意気投合し、江州における宋江の強力な味方として志を共にする。

第5巻「玄武の章」

第1章 地進の星

水に潜って十数艘の軍船の底に穴を開け、宋江たちの逃走を成功させる。小舟の棹を見事に操り、矢の雨をくぐり抜けて宋江を中州の隠し砦へと送り届ける。川の流れや軍船の弱点を熟知しており、水上での戦いにおいて中心的な役割を果たす。

第3章 地会の星

水中軍を指揮して官軍の船を次々と沈め、油を使った火攻めも機転を利かせて跳ね返す。官軍が送り込んできた泳ぎの達者な漁師たちがかつての知己であることに憤りつつも、非情に徹して迎撃する。勝利後は宋江の命を受け、梁山泊の水軍を強化するために阮三兄弟のもとへと向かう。

第6巻「烈火の章」

第2章 地文の星

梁山泊の水軍に加わり、阮兄弟とともに三人の指揮態勢を築く。建築担当の李雲が進める大規模な兵舎建設において、石材や材木などの重い資材を船で運搬する重責を担う。

第6章

阮小二が建造した大型船の試運転に立ち会い、将来的に河水(黄河)を舞台にした大規模な軍事行動を見据えて阮小七と協議する。また、水に潜る特殊技能を持つ兵を百人育成する任務に就き、梁山泊独自の潜水部隊を編制する。長江での経験を活かしつつ、北方の水路に適応した新たな戦術を模索する。

第7巻「烈火の章」

第3章 地周の星

戴宗らと共に、官軍によって寸断された通信網の再編に取り組み、梁山泊独自の強固な連絡体制の構築を実務面で支える。

第5章 地賊の星

梁山泊の水軍の頭として、阮小二や阮小七と共に湖上の防衛線を強化し、祝家荘戦に向けた水域の封鎖に備える。新しく加わった史進らの遊撃隊と連携を確認しつつ、輸送路の確保や水上からの支援体制の構築に全力を挙げる。

第8巻「青龍の章」

第9巻「嵐翠の章」

第2章 地佐の星

水中を自在に移動し奇襲をかけるための特殊部隊二百名を、自ら先頭に立って梁山泊で鍛え上げる。

第5章 地暗の星

正月の聚義庁にて、阮三兄弟とともに今後の水路活用案や、水上からの防衛戦略について意見を述べる。

第10巻「濁流の章」

第5章 地刑の星

梁山湖の水軍を率いて凌振の砲隊を急襲・捕縛する電撃作戦を成功させる。雪辱戦では呉用と連携した水軍奇襲作戦を担当し、晁蓋から現場での独断専行を許されている。

第11巻「天地の章」

第1章 地然の星

李俊の小船に同行し水深調査の重要性を肌で感じ、新しい総隊長への信頼を深める。官軍の目を盗んで「船隠し」の拠点を次々と構築する。

第4章 天地の星

呉用と李俊の協議の場に同席し、水軍が勝敗の決め手となるという戦略に強い意欲を示す。

第12巻「天地の章」

第1章 地健の星

水軍の各隊長と共に梁山泊へと入り、宋江の指揮下で新体制の軍議に加わった。

第4章 地蔵の星

北京大名府への船隊入城に先立ち、城内を流れる河水の水深を自ら潜って調査し、大型船の通行が可能であることを宋江に報告した。作戦中は水中から敵に近づく部隊を指揮し、物資運び出しのための水路の安全確保にあたった。

第13巻「白虎の章」

第1章 天剣の星

水軍隊長として潜水部隊を率い、冬の冷たい水に潜って敵船の碇綱を切るなどの隠密任務を遂行した。

第4章 地飛の星

五丈河からの本隊撤退を水面から支援し、官軍の執拗な追撃を阻んで多くの仲間を救い出した。

第5章 地退の星

阮小二の助手となった少年・趙林に泳ぎを教えることを約束する。焼討ち成功後の祝宴では、阮小七らとともに大量の魚を獲り、仲間の帰還を祝う準備を整えた。

第14巻「爪牙の章」

第2章 天平の星

兄である張横や甥の張敬の会話の中で、江州時代の思い出とともに、水に潜ることに長けた比類なき勇士として言及される。

第4章 天究の星

水軍隊長として潜水部隊を率い、五丈河や梁山湖に迫る宋軍の船底を衝くなどの独自の遊撃戦術で敵を翻弄する。

第15巻「折戟の章」

第1章 天英の星

潜水部隊を率いて水中の障害物を操作し、官軍大型船の侵入路を制限して敵船を立往生させる。流花寨近辺では、船を繋いで橋を作ろうとする敵の船底を水中から攻撃し、二艘を沈めて敵の上陸を阻止する。

第4章 天損の星

梁山泊にて新兵の教育にあたり、甥の張敬を厳しく鍛える傍ら、自作の竹製呼吸筒を用いた独自の潜水訓練を導入する。兄・張横と再会し、新たな水上連絡網「船飛脚」に必要な軍船の配備について語り合う。

第5章 地察の星

新たな船着場の建設に伴い、水中に大型船を阻む仕掛けを構築し、湖上からの防御をより強固なものにする。

第16巻「馳驟の章」

第1章 天貴の星

潜水部隊を担当する水軍隊長として、引き続き梁山泊の防衛任務に就いていることが編成表より確認できる。梁山湖の水底を知り尽くした者として、官軍の侵入を阻止する役割を担っている。

第17巻「朱雀の章」

第3章 天巧の星

梁山泊の戦力再編が進む中で、自身の専門である潜水部隊の重要性を再認識し、水軍の訓練に打ち込む。軍議にも参加し、童貫軍の水路進出を阻止するための詳細な偵察報告を行う。盧俊義の葬儀では、水軍の仲間とともにその亡骸を湖へと見送る。

第6章 地損の星

兄である張横が整備した船飛脚や通信網の運用を支え、梁山泊全体の情報の円滑な伝達をサポートする。童貫軍の不穏な動きをいち早く察知するため、水路を通じた情報収集活動に余念がない。来るべき大規模な水上戦に備え、部下たちの練度を極限まで高める。

第18巻「乾坤の章」

第1章 天敗の星

海鰍船の秘密を探るため、単身で厳重な警戒を潜り抜けて敵船の底に潜り、船底が小さな枡で区切られた不沈構造であることを突き止める。この情報の遅れに激昂する呉用に対し、命がけの偵察であったことを毅然と主張し、後の勝利に繋がる貴重な分析結果を聚義庁へもたらす。

第7章 地角の星

自らの間諜網を駆使して官軍の物資移送や童貫の動向を正確に把握し、刻一刻と迫る決戦の兆候を軍師たちに伝え続ける。

第19巻「旌旗の章」

第1章 地満の星

開封府急襲作戦において、船団が外城を通り抜けた後に水門を水中から破壊し、味方の帰路を確保する重要な役目を果たす。

第3章 地醜の星

流花寨を守るため水中に油の樽を仕掛けて迎撃の準備を整えるが、官軍の執拗な火攻めと小舟からの槍攻撃を受け、率いていた潜水部隊が壊滅的な打撃を被る。

第4章 地明の星

火攻めを見抜けなかった自責の念を抱えながら致命傷を負い、陶宗旺の築いた石積みの脇に浮上する。駆けつけた花栄に「水に潜れないことは死ぬことだ」と言い遺し、静かに息を引き取る。