鄒潤(すうじゅん)

独竜岡の猟師で解宝の片腕。額に大きな瘤を持つ異相の男で、かつては西の城郭で暴れていたが解宝と出会い猟師となった。解珍の稽古相手を務め、戦後は独竜岡の民政に携わる。

第8巻「青龍の章」

第1章 天暴の星

異様に大きな額の瘤を持つ屈強な猟師として、兄の鄒淵とともに解宝を慕う。武術の勘を取り戻そうとする解珍の稽古相手となり、その圧倒的な点鋼叉の技に完敗して深い敬意を抱く。猪の追い込み漁で中心的な役割を果たし、大量の獣肉を確保する。

第3章 天富の星

祝家荘の広場で猪の番人として寝泊まりを許され、退屈を装いながら兵たちの会話から情報を収集する。敵の将軍たちの性格や不仲といった、実戦に役立つ生きた情報を解宝に報告する。監視の厳しい荘内において、異相を逆手に取った存在感で怪しまれずに潜伏し続ける。

第5章 地勇の星

混乱する祝家荘内で解宝を助けて猪を放ち、西門の突破と梁山泊軍の引き入れに貢献する。戦後は兄とともに現地に残り、地理に詳しい利点を活かして荘内の罠の撤去や治安維持に当たる。呉用から物流の管理についても助力を求められ、猟師たちの新たな代表としての自覚を持つ。

第9巻「嵐翠の章」

第4章 地走の星

秦明の部屋へ、楊令への贈り物として仔犬の「黒雲」を腕に抱えて運び込み、別れの場にささやかな温かさを添える。

第12巻「天地の章」

第1章 地健の星

二竜山の将校として招集を受け、梁山泊本拠地へと入った。上級将校の一人として聚義庁前の広場に整列し、宋江の訓示を聞き届けた。

第13巻「白虎の章」

第2章 地祐の星

二竜山の将校筆頭として紹介される。新兵の調練や寨の防備といった日常の任務に従事し、秦明の指揮下で軍の練度向上を支えた。

第14巻「爪牙の章」

第5章 地強の星

二竜山の上級将校として、秦明や燕順らとともに官軍の攻撃に対する防衛戦の任に就く。物語上の具体的な行動描写は限られているが、猟師出身の経験を活かし、山中の過酷な戦闘において部隊を支える。

第15巻「折戟の章」

第3章 地遂の星

威勝の戦線において、石梯山の砦を守りながら傭兵隊長・張清の動きを警戒し、膠着状態の中で兵の調練を続ける。

第4章 天損の星

田虎の軍が砦に迫ると、張清の寝返りを利用した挟撃作戦を展開し、仕掛けた石積みを崩して敵軍に大損害を与える。投降した田虎の息子・田定を、養父の目を奪われた瓊英たちの復讐として、凄惨な方法で処刑する現場に立ち会う。戦後は張清の部隊と共に梁山泊へ向かい、新たな志願兵たちの選別と再配置を担当する。

第16巻「馳驟の章」

第2章 地雄の星

二竜山の将校として、入山希望者が急増し練度が不足しがちな新兵たちの調練にあたる。調練の最中も、兵の中に青蓮寺の手の者が紛れ込んでいないか、楊春とともに細心の注意を払って監視を続けている。

第17巻「朱雀の章」

第4章 地捷の星

桃花山での調練を終え、籠城戦が続く二竜山の現状を「絞め殺されるようなもの」と危惧する。秦明に対し、自らを正面の守備に加えるよう直訴し、隙あらば敵陣へ反撃に転じようと機を窺う。

第18巻「乾坤の章」

第2章 地獣の星

二竜山で楊春とともに調練に励み、訪れた楊令に挨拶をして親交を深める。

第4章 天哭の星

外詰めの部隊として最初に出動し、攻城兵器の移動路を確保する。周信との戦いの後、潰走する官軍を十里にわたって執拗に追撃する。

第7章 地角の星

梁山泊軍の歩兵五千を率いる隊長として、童貫軍との決戦に備えた調練に励む。女真の地から帰還した楊令や郝瑾といった年下の将たちにも親しみを持って接し、二竜山でのかつての籠城戦を振り返る。だが実戦では敵の斥候に誘われて方角を誤り、窮地に陥った扈三娘の救援が遅れる一因を作ってしまう。この判断の誤りが林冲の死を招いたことに、激しい自責の念を抱く。

第19巻「旌旗の章」

第2章 天威の星

歩兵部隊の指揮官として調練に励みつつ、戦場では張清軍の側面を支える攻撃に従事する。かつて林冲を死なせた自責の念から死に場所を求めるように突出し、敵を押し返す最前線で指揮を執る。混戦の中で壮絶な戦死を遂げ、その遺体は泣き崩れる下級将校たちに抱き起こされる。