朱富(しゅふ)

朱貴の弟。笑面虎の綽名を持つ。兄を慕って梁山泊に合流し、料理の修行を積むなど実直で兄思いの性格。瀕死の兄から船隠しの設計図と拠点情報を託され、その遺志を継ぐ決意を固める。

第10巻「濁流の章」

第5章 地刑の星

青蓮寺の急襲で瀕死となった兄・朱貴を張青とともに船で運ぶ途中、兄から船隠しの設計図と秘密拠点の情報を託される。梁山湖への道中で兄の死を看取り、その遺志を継ぐことを誓う。

第11巻「天地の章」

第4章 天地の星

梁山泊内の断金亭にいる宋江を訪ね、自身が開発した魚肉入りの焼饅頭を振る舞う。亡き兄・朱貴が愛した梁山湖の景色を宋江と共に眺め、再建された酒店や鄆城の市場を通じて魚料理を広める熱意を語る。

第12巻「天地の章」

第1章 地健の星

梁山泊の聚義庁前での軍議を待つ間、郁保四や楽和らと共に、顧大嫂が配る饅頭を食べて晁蓋の死を悼む。

第4章 地蔵の星

満身創痍の燕青が盧俊義を担いで現れた場面に遭遇し、直ちに船を手配して梁山泊の安道全のもとへ送り届ける。後に回復した燕青を店に迎え、体術の稽古を乞うことで彼との親交を深める。

第5章 地隠の星

梁山泊対岸に関勝の軍が現れた際、敵将である関勝を店に招き入れ、兄・朱貴から受け継いだ秘伝の魚肉入り饅頭を振る舞う。その後、店を訪れた呼延灼や林冲らに対し、関勝が残していった「饅頭の借り」という言葉の真意を伝える役割を果たす。

第13巻「白虎の章」

第1章 天剣の星

梁山泊周辺の船隠しを管理しており、彼の場所にある古い漁師の船が大砲の試し撃ちの的として提供されることになる。

第4章 地飛の星

梁山泊の自店で、親友の彭玘を失い失意の中にあった呼延灼と項充を温かく迎えた。魚肉入りの饅頭や酒を振る舞いながら彼らの心情を思いやり、泣くことで心を解き放つ必要性を説いて彼らに寄り添った。

第14巻「爪牙の章」

第2章 天平の星

南京応天府の張横が、長男の張敬を梁山泊へ送る際、預け先として彼の名前を挙げる。梁山泊の近辺で食堂を営んでおり、字の読めない張順に代わって兄からの手紙を読み、張敬の面倒を見る役割を期待されている。

第15巻「折戟の章」

第4章 天損の星

梁山泊の船着場の管理責任者として、戦闘に適さない負傷兵や新兵を輸送船の漕手として適切に組織し、軍の物流機能を維持する。

第6章 地奇の星

梁山泊内の店で、心身ともに病んでいた単廷珪を介抱する。廃兵として終わることに絶望し、酒に逃げようとする単廷珪を厳しくたしなめ、林冲ら同志による過酷な再起の稽古を見守る重要な役割を果たす。

第16巻「馳驟の章」

第1章 天貴の星

梁山泊の船着場で酒場を営み、酔った黄信の不平不満を粘り強く聞き流す。柴進、林冲、史進の三人が色のついた具足を巡って激論を交わす場に居合わせ、荒くれ者たちが子供のように色にこだわる姿を微笑ましく見守る。

第17巻「朱雀の章」

第3章 天巧の星

梁山泊への入り口となる金沙灘の対岸で店を構え、将校たちの往来や物資の搬入を管理する。盧俊義の葬儀のために集まった好漢たちを迎え、拠点としての機能を維持する。戦死した関勝が、末期に「饅頭を一つ借りたまま返していない」と回想する対象としても描かれる。

第18巻「乾坤の章」

第7章 地角の星

呉用が軍の再編を行う際、死んでいった同志たちを思い出す場面で、直接的な活躍は描かれないものの名前が挙がる。兄・朱貴亡き後、梁山泊の物流や管理を支える役割を担い続けていることが示唆される。

第19巻「旌旗の章」

第1章 地満の星

自身の店に近い船着場の管理を徹底し、梁山泊への上陸許可や物資の輸送を監督する。童貫軍との決戦を前に兵の出入りが激しさを増す中でも、拠点としての機能を変わらず維持し続ける。

第3章 地醜の星

五丈河河口を占拠しようとする宋軍の別働隊によって、街道沿いの店を急襲される。異変を聞いて駆けつけた石勇が目にしたのは死の静寂に包まれた店であり、朱富は奇襲の最初の犠牲者として命を落としていたことが明らかになる。