薛永(せつえい)
大道芸人出身の武芸者で薬草の知識を持つ。膏薬の調合と薬草の知識が梁山泊の医療を支え、魯智深の旅に同行して志に目覚めた。見た目は武骨だが、薬師としての細やかさも持ち合わせる。
第1巻「曙光の章」
第6章 天微の星
大道で武芸を披露しながら薬を売っていたが、飢えに苦しんでいたところを魯智深に助けられた。自身の持つ薬草の知識を活かす道を提示され、魯智深の旅に同行することに決めた。新たな生きる目的を見出した。
第7章 地囚の星
梁山湖畔で宋江や晁蓋と対面し、阮小七が振る舞った魚料理を共に食べた。その席で、自身の薬草に関する知識や、将来に向けた志の一端を語った。同志の一人として仲間に加わる姿勢を示した。
第2巻「替天の章」
第2章 地幽の星
魯智深に拾われた薬師として登場し、呉用に伴われて安道全と対面する。薬草に関する深い知識を安道全に認められ、二人で協力して朱貴の妻の治療に当たる。
第3章 天暗の星
安道全の指示に従い、陳麗のために薬草を煮詰め、彼女が回復するための薬を作り続ける。
第4章 天間の星
安道全が必要とする薬草を届けるため、単身で山寨を訪れる。林冲に対し、宋江が進めている「致死軍」の結成などの極秘情報を伝達する役割も果たす。
第5章 地耗の星
王倫の毒に倒れた林冲に、特製の薬草粥を作って回復を助ける。朱貴の店でも、最期の時を迎えつつある陳麗のそばに寄り添い、薬を調合し続ける。
第3巻「輪舞の章」
第3章 天機の星
梁山泊の薬師として、掃討作戦に必要な特殊な薬液を調合する。村の飲み水に腹を下す薬を混入させることで、疫病の発生を偽装し、潜伏していた間者たちを村から誘い出すことに成功する。作戦後は、村人たちのために速やかに解毒薬を配布して事態を収拾する。
第4巻「道蛇の章」
第3章 地孤の星
薬方所の責任者として薬草の調合に励み、安道全と共に組織内の怪我や病による死亡率を下げることに貢献する。仕事が終わった後は湯隆や白勝、安道全らと共に食事を囲み、技術者同士の親睦を深める。
第5章 天殺の星
安道全と共に梁山泊の医療体制の要となっており、組織が国としての体裁を整える上で欠かせない実務を担っている。
第5巻「玄武の章」
第3章 地会の星
安道全が魯智深救済のために梁山泊を離れる際、留守中の病人の世話を安心して任せられる有能な薬師として名前が挙げられる。
第6巻「烈火の章」
第3章 地狗の星
宋江が旅の途上で原因不明の重病を患った際、梁山泊側が安道全とともに治療のために派遣しようとした薬師として名前が挙がる。しかし、宋江本人が自らの回復を優先して派遣を断ったため、実際の出動には至らなかった。
第7巻「烈火の章」
第1章 地伏の星
梁山泊の薬師として、太原府の洞穴で負傷した武松や李逵の治療に用いられる優れた薬草を調製する。直接の登場シーンは少ないが、彼の作る医薬は過酷な戦場に身を置く同志たちの命を繋ぐ不可欠な支えとなっている。
第5章 地賊の星
鄆城への潜入を企てる時遷の依頼に応じ、行商人を装うための薬を数種類用意して分け与える。影ながら間諜活動の準備を支援することで、梁山泊の情報収集体制を支える役割を果たす。
第8巻「青龍の章」
第2章 地異の星
梁山泊の薬師として、二竜山へ向かう使者に楊令のための解熱剤を託す。彼の作った薬は看病にあたる公淑の助けとなり、楊令が死の淵から生還するための一助となる。
第12巻「天地の章」
第4章 地蔵の星
金沙灘にて安道全を補佐し、彼の指示に従って、死域にいた燕青の頭部を丸太で打ち据えて強制的に眠らせた。燕青の命そのものを削るような歩行を目の当たりにし、その強靭な精神力に深い感銘を受けた。養生所では安道全と共に二人の手当てにあたった。
第5章 地隠の星
持病の胃の腑の痛みに苦しんでいた韓滔に対し、以前から痛みを和らげるための薬を処方していた事実が明かされた。養生所においても引き続き安道全の指示の下で薬の調合を行い、回復に向かう盧俊義らを支えた。
第15巻「折戟の章」
第2章 地煞の星
戦いで深手を負い、梁山泊の養生所で療養していた黄信の回想の中で言及される。薛永は薬師として黄信を支え、彼が手伝いをする中で薬学についての知識を伝授したことが語られている。薛永が教えた知識は、後に黄信が北京大名府へ薬売りに変装して潜入する際の重要な助けとなった。
第3章 地遂の星
北京大名府戦後の梁山泊で行われた全軍会議に出席する。多くの犠牲者が出た激戦を振り返り、宋江が自らの責任を認めて頭領の座を譲ろうとする場面や、軍の再編案を同志の一人として静かに聞き届ける。
第16巻「馳驟の章」
第3章 地壮の星
安道全の助手として柴進の病室に詰め、自らの腕に傷をつけながら薬や毒の反応を調べる献身的な姿を見せる。柴進の死後、師とともにその死因を冷静に分析し、無味無臭の猛毒が計画的に使われていた事実を明らかにして、暗殺者の影を浮き彫りにする。
第17巻「朱雀の章」
第5章 地狂の星
致死軍が携行する高度な解毒薬や傷薬を精製し、高廉の軍との暗闘に身を投じる公孫勝らの生存率を高める。公孫勝が負傷した際も、燕青が彼の薬を用いて迅速な処置を行うなど、影の功労者として部隊を支える。
第6章 地損の星
子午山で病床にある魯達のため、安道全の指示に基づき特別な薬草を調合して飛脚便で送り届ける。
第18巻「乾坤の章」
第2章 地獣の星
皇甫端の牧を訪れ、人間用の麻酔薬を馬の治療に応用することを提案し、矢傷を負った軍馬の縫合手術を成功させる。
第7章 地角の星
薬師として軍の衛生管理を支える傍ら、決戦を前にして、その風貌と役割から「病大虫」という綽名が与えられることが宋江たちの合議で決まる。
第19巻「旌旗の章」
第5章 天捷の星
梁山泊の養生所で安道全を助け、薬品の調達や負傷兵の看護に奔走する。
第6章 天魁の星
自身の薬学のすべてを記した冊子を助手の馬雲に託して逃がし、自らは安道全の側に残る決意をする。病舎に乱入した敵兵数人を剣で斬り倒すが、最後は多勢に無策で槍や戟に貫かれ戦死する。