石勇(せきゆう)
時遷の弟子で梁山泊の間諜。師から八年間にわたって忍びの技と学問を叩き込まれた若き隠密。師への強い尊敬と独り立ちへの意欲を持ち、命懸けの潜入任務をこなす実力を身に付けた。
第7巻「烈火の章」
第5章 地賊の星
時遷の部下として各地の物流を追い、独竜岡の祝家荘に官軍の大軍が潜伏する「荘軍」の正体を突き止める。祝家荘の屋敷に忍び込んでその迷路のような構造を確認し、梁山泊の軍議で地図を用いてその詳細を克明に報告する。軍議後は呉用の指示により、北京大名府へ潜入して敵の動向を探る新たな任務に就く。
第8巻「青龍の章」
第1章 天暴の星
祝家荘内部に配下を潜入させ、聞煥章や唐昇の動き、荘内の擬装工作などの情報を収集する。
第3章 天富の星
解珍が祝家荘へ猪を運び込む機に乗じて猟師に変装し、自らも荘内へ潜入する。解宝に指示を与えた後、怪我人を装って検問を突破し、外部の呉用らへ最新の情報を届ける。
第4章 地悪の星
祝家荘に再度潜入し、処刑された仲間の犠牲を悼みつつ、孫立一族の動向を監視する。
第5章 地勇の星
楽和の歌声をきっかけとした騒乱の中で孫立らと合流し、混乱する荘内での連絡・誘導役を果たす。
第9巻「嵐翠の章」
第1章 天空の星
梁山泊の首脳会議において、間諜隊の責任者として紹介される。戴宗の通信網と連携し、組織の防衛戦略に欠かせない諜報活動に従事していることが示される。
第3章 地微の星
梁山泊の防衛体制を盤石にするため、戴宗とともにさらなる諜報網の拡充に奔走する。
第12巻「天地の章」
第4章 地蔵の星
梁山泊から少し離れた場所に自身の店を構えており、そこを間諜隊の拠点として部下たちを集結させていた。
第5章 地隠の星
北京大名府の攻略後、官軍側の高廉による報告の中で、石勇の部下たちが城内に潜入している気配がないことが語られ、梁山泊側が完全に痕跡を消し去ったことが間接的に示された。
第13巻「白虎の章」
第5章 地退の星
配下の間諜を官軍の夫役に扮させて敵の重要拠点である口の造船所に潜入させ、船の建造状況や木材の蓄積量を精査させた。この偵察によって得られた詳細な情報が、孔明による決死の造船所焼討ち作戦の立案に決定的な役割を果たした。彼の組織が提供する生の情報は、梁山泊水軍の将来的な戦術を決定付ける基盤となった。
第14巻「爪牙の章」
第1章 地急の星
間諜隊隊長として開封府や北京大名府の探索に部下を動員するが、双頭山の大敗による影響や官軍の活発な動きにより、情報の把握に苦慮する。
第2章 天平の星
戴宗からの要請を受け、威勝で叛乱を装う田虎一党の正体を探るための調査を開始する。
第3章 地短の星
済州の城郭に潜む闇の妓楼について裴宣から相談を受け、青蓮寺の工作員を監視するために部下を派遣する。
第15巻「折戟の章」
第3章 地遂の星
亡き時遷の跡を継ぎ、間諜隊の首領として宋軍の動向や各地の民衆の不満を徹底的に探り続ける。戦後の全軍会議に出席し、北京大名府放棄後の各勢力の動向や、梁山泊へ集まる新兵たちの素質と背景についての情報を分析して報告する。
第16巻「馳驟の章」
第2章 地雄の星
二竜山の解珍からの依頼を受け、入山を希望する新兵たちの身元調査を行う。その鋭い眼力により、紛れ込んでいた青蓮寺の間諜三名を正確に特定し、寨の安全を裏から守る活躍を見せる。
第4章 地数の星
孫新が殺害された後の北京大名府に十名ほどの部下を潜入させ、諜報網の再構築にあたっていることが示されている。
第17巻「朱雀の章」
第2章 地巧の星
間諜隊隊長として官軍の内情を探り、宋の役所が印鑑を変更するたびにその押印書類を盗み出す。金大堅が蔡京の私印を偽造する際にも、必要な資料を収集して工作の基盤を作る。
第4章 地捷の星
禁軍の動向を監視し、段鵬挙ら将校の経歴や特徴についての情報を董平や宋江へ提供する。
第5章 地狂の星
開封府に潜入し、物価を乱すための工作や、現地の治安を揺さぶるための盗賊の横行などを裏で指揮する。
第6章 地損の星
童貫が秘密裏に建造させていた巨大な新型艦の情報を入手し、呉用を通じて宋江へ報告する。部下に命じて新型艦の全貌をさらに探らせ、梁山泊防衛のための重要な判断材料をもたらす。
第18巻「乾坤の章」
第1章 天敗の星
童貫の陣営を探るが、余所者を一切入れない厳重な警戒に阻まれて潜入できず、焦りを募らせる。公孫勝から「童貫は逆手を取ってくる」と諭され、遠方からの監視に切り替えて出撃の兆候を捉える。夜中に動いた二つの篝火から全軍の闘気の高まりを察知し、本隊へ「明早朝、童貫出撃」の報を運ばせる。
第7章 地角の星
童貫軍が濮州や南華へ物資を運び込んでいる状況や、騎馬隊の規模を正確に把握し、済州や鄆城の本営に情報を送り続ける。彼の絶え間ない偵察活動は、呉用や宣賛が敵の戦略を分析し、全軍の再編案を練るための重要な拠り所となる。
第19巻「旌旗の章」
第1章 地満の星
間諜隊の隊長として開封府の警備状況を詳細に調べ上げ、呉用が立案した水軍による開封府奇襲作戦の基礎となる情報を提供する。青蓮寺の防諜が厳しくなる中でも、組織的な諜報活動を継続する。
第3章 地醜の星
梁山湖畔の拠点が宋軍の奇襲を受けた際、いち早く異変に気づいて屋根伝いに脱出を試みる。本営や宋江に危機を知らせるため闇夜を必死に駆け抜けるが、途中で高廉の軍の残党に包囲される。武術の心得がないながらも小刀一本で抵抗し、最期まで本営の明かりを目指して走り続けようとしながら力尽きる。