李逵(りき)
梁山泊随一の破壊力を誇る猛将。二挺の板斧を武器にその凄まじい戦闘力で敵を圧倒する。宋江への絶対的な忠誠心と子供のような純粋さを持ちながら、制御の難しい衝動性も持ち合わせる両刃の剣のような人物。
第4巻「道蛇の章」
第5章 天殺の星
望江の庵の近くで、盲目の母に食べさせるための魚を宋江から強引に「借りる」形で出会う。山中で母を虎に食われる悲劇に見舞われるが、武松とともに二頭の虎を打ち殺して仇を打ち、宋江の情け深い言葉に救われる。宋江を「親父」と慕って従者となり、江州への旅に同行して新たな人生を歩み始める。
第6章 天速の星
江州へ潜入するが、船着場で魚の貸し借りを巡り漁師たちと大乱闘を起こし、そのまま水中に誘い込まれる。水の上では張順に敗れて溺れかけるが、その根性と剛力を認められ、宋江を交えた賑やかな酒宴で絆を深める。
第5巻「玄武の章」
第1章 地進の星
宋江の従者となり、薪割りの斧を武器に江州の包囲網を強行突破する。中州の砦では得意の石切りの技を活かし、小屋の板壁を石積みに替えて防御力を高める。自分の技が役に立つことを喜び、宋江の前で快活に笑い声をあげる。
第3章 地会の星
官軍が上陸を仕掛けてくると、両手に斧を持っているかのような猛烈な速さで振り回し、敵を次々と粉砕する。跳ね回るような独自の動きで敵の槍をかわし、奇声を発しながら獅子奮迅の働きを見せる。宋江が無事に救出された後の祝宴でも、明るい振る舞いで座を盛り上げる。
第6巻「烈火の章」
第1章 地闊の星
黒旋風の異名を持つ宋江の従者で、欧鵬を圧倒的な武力で叩き伏せる。粗暴ながらも宋江には絶対的な忠誠を誓い、旅の道中では料理などの身の回りの世話を焼く。
第3章 地狗の星
病に倒れた宋江を必死に看病し、欧鵬を弟分として可愛がる。
第5章 地劣の星
迫り来る青蓮寺の伏兵を武松と共に奇襲し、敵部隊を壊滅させる。得意の板斧で岩を砕いて石材を大量に作り、籠城用の洞穴を要塞化するための陣地構築に貢献する。
第7巻「烈火の章」
第1章 地伏の星
太原府の洞穴周辺で石を切り出し、陶宗旺の石積みを助けながら宋江を護衛する。武松を兄貴と慕い、宋江を父のように敬って、敵を皆殺しにするという野性味溢れる気概を見せる。暗闇の中、洞穴を偵察に来た青蓮寺の手の者を板斧で瞬く間に斬り伏せる。
第2章 地理の星
敵に包囲される状況下でも、罠で捕らえた兎を調理して宋江たちの腹を満たし、料理の腕を振るう。戦闘が始まると鳥の鳴き声のような叫びを上げて暴れ回り、板斧で敵兵の首を次々と飛ばす。救援軍の朱仝や林冲の姿に歓喜し、戦場を飛び跳ねて敵を粉砕する。
第3章 地周の星
双頭山では軍律を重んじる朱仝と事あるごとに衝突し、板斧を構えて一触即発の状態になる。武松に制止されながらも不満を漏らすが、宋江の護衛という任務だけは忠実にこなす。陶宗旺とともに山寨の強化作業に加わり、持ち前の怪力で巨大な石を切り出し続ける。
第5章 地賊の星
宋江に従って梁山泊に入山し、新たに組織される遊撃隊の訓練や馬の調達を見守る。武松や林冲とともに白馬に跨って野駈けを楽しみ、相変わらず自由奔放に振る舞う。湯隆に自身の武器である板斧の調整を頼むなど、来るべき大戦に備える。
第8巻「青龍の章」
第3章 天富の星
武松とともに李家荘に潜り込み、黒い肌と巨体を活かして人夫として働く。
第4章 地悪の星
秦明に対し、「死ぬ気になったら何が難しい」と豪語し、梁山泊の非情な軍令を突きつける。
第5章 地勇の星
李応を救う際、板斧を振るって王和の部下を瞬く間に皆殺しにする。祝家荘の陥落後、祝家一族と王和の首を刎ね、その首を蹴り転がして勝利を誇る。
第9巻「嵐翠の章」
第3章 地微の星
柴進の救援のために武松とともに冀州へ向かい、得意の料理で仲間の心を和ませる。夜明けの脱出作戦では、城壁から奇声を上げて官軍の目を引きつける完璧な厑としての役割を果たす。板斧を振るって直接戦う場面こそ少ないものの、その存在感で官軍を翻弄し作戦を支える。
第5章 地暗の星
新年の祝宴に参加し、かつて自分が笛を叩き折った因縁を持つ馬麟と再会する。
第10巻「濁流の章」
第1章 地威の星
韓滔の開墾地に武松とともに滞在し、女たちに料理の味付けを指導するという意外な役割を担う。慣れない対人関係に汗をかき照れ隠しに跳ね回るなど純粋な一面を見せる。
第4章 地英の星
寿張の決戦で晁蓋を守る護衛として奮闘。包囲網の中でも仲間への信頼を失わず最後まで戦う。
第11巻「天地の章」
第4章 天地の星
魯達の指示に従い武松とともに雄州軍の宣賛の屋敷へ食客として入り込む。関勝を梁山泊側へ引き込む調略工作に従事し宣賛の妻・金翠蓮らとも交流を持つ。
第12巻「天地の章」
第2章 地傑の星
宣賛の庵に出入りし、母親に食べさせるために工夫したという得意の料理を披露する。板斧を使って畠の石垣用の石を見事に切り分け、宣賛からその純真な気質を愛される。
第4章 地蔵の星
北京大名府の攻略戦に宋江の護衛として加わり、戦陣でも上半身裸で木の実を香料にするなどの奔放な姿を見せる。撤退戦では、宋江に迫る敵兵を板斧で薙ぎ払い、その危機を救う活躍を見せる。
第13巻「白虎の章」
第1章 天剣の星
武松とともに宋太公を守護する任務に就く。太公を「親父」と慕い、不器用ながらも心を込めた料理や看病で頑なな心に正面からぶつかっていく。
第4章 地飛の星
武松とともに宋家村に滞在し、宋太公を実の父のように慕って農作業や炊事に精を出す。襲撃してきた敵を板斧で粉砕して肥料に変えるなど、彼らしい方法で畠を守り続け、老人の最期まで献身的に仕えた。宋太公の死を悼みつつも、宋江に対して「親父は土に還れて幸せだった」と報告し、老人との間に築いた深い絆を示した。
第5章 地退の星
泳げない弱点を盧俊義に指摘されるなど、梁山泊内の日常において愛嬌のある存在として描かれる。宋江の父の死という悲しみを乗り越え、再び北方の任務へと向かう準備を整えた。
第14巻「爪牙の章」
第2章 天平の星
石梯山での築城作業の傍ら、武松の袋を盗もうとした張横の息子・張平を捕らえ、板斧を振るう威嚇でその根性を叩き直そうとする。
第3章 地短の星
石梯山の炊事担当として自慢の料理を兵たちに振る舞い、猪を生で食うための特製たれを作るために、敵地である威勝の街へ平然と買い出しに出かける。
第5章 地強の星
魯達の指示により武松とともに石梯山を離れ、威勝近辺での独自の攪乱工作に従事する。
第15巻「折戟の章」
第4章 天損の星
威勝の戦線にて魯達や武松とともに隠密活動に従事し、監禁されていた鄔梨と瓊英を救出する実力行使を担当する。田虎の一党が瓦解する際にも、魯達の指示に従って田定らの処刑や捕虜の選別を影から支える。常に前線で荒々しく動き回り、梁山泊の「汚い仕事」を厭わず遂行する姿を見せる。
第16巻「馳驟の章」
第2章 地雄の星
女真の地で武器の護衛にあたり、遼軍の襲撃を受けると上半身裸で鬼のように跳ね回る。板斧を振るって敵の首を次々と飛ばす凄まじい戦いぶりを見せ、蔡慶らを驚愕させる。
第6章 地陰の星
現地で覚えた料理の腕が評判となり、帰還を惜しむ女真族の女たちに囲まれて香辛料の解説をする微笑ましい姿を見せる。
第17巻「朱雀の章」
第1章 天立の星
武松に同行して国境付近で暴れ回り、板斧を振るって宋軍と遼軍の兵を無慈悲に殺戮する。凄惨な殺し合いを楽しみながらも、武松の指示に従って攪乱工作を続ける。
第2章 地巧の星
子午山にて王進の母に料理を教えたり、張平の顔を板斧で軽く斬るなど独自の交流を持つ。楊令に石の切り方を教え、武術とは異なる天賦の技を伝える。
第6章 地損の星
武松とともに再び女真の地へ入り、阿骨打の軍勢に合流して新国家建国の端緒に立ち会う。銀の管理を巡る蔡慶とのやり取りを通じて、仲間への信頼と戦いへの意欲を見せる。
第18巻「乾坤の章」
第6章 地平の星
武松とともに女真の地で活動し、遼軍を攪乱する戦いに身を投じる。銀の搬送に成功した楊令に再会すると、その見事な戦いぶりを喜び、無邪気に跳ねて再会を祝う。阿骨打の砦で熊の肉を食らい、厳しい北の地でも変わらぬ豪放さを見せる。
第7章 地角の星
引き続き北方に残り、燕青らとともに童貫軍の補給路を断つための隠密活動を続ける。本隊の決戦準備を側面から支える重要な役割を担う。
第19巻「旌旗の章」
第1章 地満の星
武松とともに孟康の前に現れ、死んではならない林冲が死んだことへの理不尽さを、独自の価値観で吐露する。宋江という「父」を守るためなら死を恐れない覚悟を持ち、決戦の地へと勇んで向かう。
第2章 天威の星
軍議で宋江の戦場入りを阻もうとした呉用に対し、板斧を首筋に突きつけて脅し、宋江の望む通りにやらせろと凄んで場を静まらせる。
第3章 地醜の星
歩兵戦の最前列で上半身裸となり、躍るように板斧を振るって敵兵を次々となぎ倒す凄まじい働きを見せる。その魔神のような姿は新兵たちを鼓舞し、圧倒的な戦力差のある敵軍を一時的に潰走させる要因となる。
第4章 地明の星
趙安軍との戦いの最中、毒矢を受けた馬麟の傷が全身に回るのを防ぐため、迷わず板斧で馬麟の右脚を切り落とす。
第5章 天捷の星
宋江に迫る矢を板斧で叩き落とすなど、もはや人智を超えた動きで宋江の周囲に死角を作らせない。しかし不眠不休の激戦で体力の限界を迎え、荒い呼吸を整えるために時折宋江のそばへ戻るようになる。
第6章 天魁の星
梁山泊へ兵を運ぶ小型船の舳先で敵兵をなぎ倒すが、巨大な敵船の衝撃で湖に投げ出される。水中でもなお板斧を構えて戦い続けようとする執念を見せながら、そのまま静かに息絶える。