公孫勝(こうそんしょう)

道術を修めた梁山泊の軍師。影の精鋭部隊「致死軍」を率い、官軍の脅威を冷徹に封じ込める。感情を表に出さない謎めいた人物だが、梁山泊の志に対する信義は揺るぎない。

第1巻「曙光の章」

第8章 地霊の星

渭州の牢獄に入獄中であることが語られた。宋江が彼の救出を林冲に託そうと考えている、非常に重要な同志候補の一人である。変革の成就に欠かせない人物として位置づけられている。

第2巻「替天の章」

第4章 天間の星

渭州の牢城の地下牢に二年間閉じ込められていたが、晁蓋や魯智深らによって救出された。救出後は晁蓋に対し、闇や地形を味方にして官軍の本陣を突く特殊部隊「致死軍」の創設を提案した。

第6章 天異の星

劉唐らとともに致死軍の過酷な調練を行い、草原で晁蓋を奇襲する演習を行ってその隠密性と威力を示した。勝利のためには自らの死も辞さないという冷徹かつ強靭な覚悟を晁蓋に語った。

第8章 地魔の星

晁蓋らとともに新体制の梁山泊へ入り、致死軍を三百人に増員するための兵の選抜と調練に心血を注いだ。夜の聚義庁の石段で林冲と語り合い、戦いに生涯をかけた男としての孤独と共鳴を見せた。

第3巻「輪舞の章」

第2章 天慧の星

梁山泊の特殊部隊・致死軍の総司令官として、兵たちに「名も利も求めぬ」という過酷な理念を叩き込む。盧俊義からの要請を受け、塩の道を狙う勢力を殲滅するため、石秀を北京へと派遣する。

第3章 天機の星

青蓮寺の間者を一掃するため、病を偽装して500人の敵を誘い出し、情け容赦なく殲滅する冷徹な指揮を執る。作戦中に私情を挟んで兵を死なせた石秀を、致死軍から追放するという厳しい処分を下す。

第6章 地好の星

北京の盧俊義邸に潜み、致死軍を使って青蓮寺との闇の争闘を続ける。立ち直った武松と再会し、今後の青蓮寺との戦いがさらに激化することを予見して彼に宋江の護衛を託す。

第4巻「道蛇の章」

第3章 地孤の星

梁山泊の致死軍を率いて夏津で青蓮寺の闇軍と激突するが、巧妙な罠に嵌まり肩に斬り傷を負う。救援に来た林冲と戦術を巡って激しく対立するが、組織としての戦い方と自身の誇りのあり方を再確認する。

第5章 天殺の星

晁蓋や呉用らと聚義庁で軍事会議を行い、官軍五千による大規模な賊徒討伐軍の編制に対し、二竜山などの出先機関を動かす戦略を協議する。

第6巻「烈火の章」

第2章 地文の星

呉用と共に致死軍の再編や塩の道防衛部隊の編制について協議し、組織の影の戦力を強化する。林冲の騎馬隊に対抗心を燃やし、致死軍を増強して彼を助けることで鼻を明かしたいという執念を語る。

第4章 天猛の星

二竜山の秦明を訪ね、特殊任務を担う飛竜軍のために精鋭兵を選抜する。官軍との決戦では致死軍を率いて敵陣深くに潜入し、兵糧を焼き払うなどの攪乱工作で敵を撤退へと追い込む。

第7巻「烈火の章」

第5章 地賊の星

梁山泊の軍議で「荘軍」の脅威を共有し、祝家荘に王和の軍が紛れ込んでいることを報告する。独竜岡の南で王和の軍に追われていた時遷を、潜伏していた致死軍を率いて救出する。鄆城から王和を追跡しつつ、官軍の不穏な動きを粘り強く探索し、組織の影の守護者として機能している。

第8巻「青龍の章」

第3章 天富の星

致死軍を率いて祝家荘周辺に潜伏し、青蓮寺の王和や高廉の軍と激しい暗闘を繰り広げる。宿元景の騎馬隊を撃破した夜、宋江の本陣へ現れて林冲や呉用と戦況や暗殺の危険性について言葉を交わす。

第4章 地悪の星

高廉の軍による執拗な追跡を受け、致死軍にもかなりの犠牲を出しながらも敵を釘付けにする。軍議に参加し、林冲が扈三娘を岩に叩きつけた手柄を「花が馬の蹄に踏み潰された」と皮肉る冷徹さを見せる。

第9巻「嵐翠の章」

第2章 地佐の星

梁山泊の創設時、致死軍を組織して晁蓋を支えた功績が語られる。

第5章 地暗の星

林冲の戦線離脱を問う軍法会議に出席する。林冲を救出するために自身の任務に支障が出たことを指摘し、組織の規律を守る立場から林冲に対して厳しい罰を与えるべきだと主張する。

第10巻「濁流の章」

第4章 地英の星

呼延灼が北京大名府へ向かい不在という政治的な隙を察知して晁蓋に報告し、乾坤一擲の反撃を決意させる。致死軍を率いて青蓮寺との諜報戦も継続する。

第11巻「天地の章」

第1章 地然の星

梁山泊の崖の上で鍛錬を続ける樊瑞に声をかけその資質を見抜いて致死軍の隊長に抜擢する。樊瑞に「暗殺」という任務の冷徹な本質を説き、自らも手を汚してきたという重い覚悟を明かす。

第4章 天地の星

五台での任務を終えた樊瑞と落ち合い、次の目的地を滄州と定め樊瑞には雄州の魯達を訪ねるよう指示を出す。

第12巻「天地の章」

第1章 地健の星

晁蓋の死を受け、各地の上級将校と共に梁山泊本拠地へと集結した。聚義庁での軍議の後、宋江の振る舞いについて林冲と激しく口論になり、一触即発の危機に陥るが、秦明の一喝によってその場を収めた。

第5章 地隠の星

官軍側の高廉の報告により、代州にて知府や知県を次々に暗殺していた事実が明かされた。また、報復のために樊瑞を伴って開封府へ潜入していることが、青蓮寺側で警戒されている。

第13巻「白虎の章」

第1章 天剣の星

流花寨付近での宋水軍との戦いに際し、致死軍を率いて陸上の動静を探るなどの諜報活動に従事した。

第5章 地退の星

若い商人に変装し、開封府の相国寺の市で店を構えながら青蓮寺の動きを監視した。官軍自らが高官三名を暗殺して梁山泊の仕業に見せかけた意図を見抜き、青蓮寺の首魁・袁明を自分に似た存在として強く意識した。宋という国の終焉を見据えつつ、致死軍を率いて塩の道を護るための非情な決断を下し続ける日々を過ごした。

第14巻「爪牙の章」

第2章 天平の星

開封府に潜伏して致死軍を指揮し、青蓮寺の首領である袁明や李富の動静を監視しつつ、街の腐敗の構造を見極める。樊瑞とともに標的の暗殺計画を練り、蔡京邸に出入りする袁明の影の護衛である洪清の存在に強い警戒感を示す。

第3章 地短の星

梁山泊の軍議に短期間だけ戻り、官軍による二十万の大攻勢を予測して防衛策を協議するとともに、石梯山への致死軍派遣を報告する。会議後は夜を徹して開封府へ戻り、緊迫する情勢の中でさらなる暗闘に身を投じる。

第4章 天究の星

旅の途上で開封府に立ち寄った張横と会い、飛脚網を通じた情報の信頼性や青蓮寺による解読工作への対策を話し合う。流花寨への禁軍の攻撃が近いことを察知し、戦局が決定的な段階に入りつつあることを樊瑞に伝える。

第15巻「折戟の章」

第2章 地煞の星

開封府近辺で致死軍を率い、高廉の軍と暗闘を繰り広げて青蓮寺の耳目を引きつける。北京大名府への奇襲作戦を悟らせないための陽動として、首都周辺で不気味な気配を放ち続ける。

第3章 地遂の星

戦後の全軍会議に出席し、致死軍総隊長として各地の戦況と情報を共有する。

第16巻「馳驟の章」

第2章 地雄の星

高廉の軍の罠にあえて飛び込み、敵を一点に引きつけて林冲らの騎馬隊による挟撃を成功させる。しかし狙っていた高廉の首を討ち漏らし、林冲にその戦い方の甘さを指摘されて激しい口論を展開する。

第5章 天牢の星

開封府にて、燕青とともに李師師の妓館を襲撃する陽動を指揮し、官軍の警護態勢を暴く。その後、飛竜軍に高廉を北へ引きつけさせた隙を突き、青蓮寺の総本山を正面から急襲して、ついに首魁である袁明の暗殺を完遂する。

第17巻「朱雀の章」

第3章 天巧の星

燕青とともに開封府から梁山泊へ戻り、軍議の席で呉用と致死軍の運用を巡って激しく対立する。聚義庁の統制に縛られず、現場の判断で動く権利を宋江に認めさせ、高廉の軍との暗闘に身を投じる。

第5章 地狂の星

北京大名府近郊にて宿敵・高廉の居場所を捕捉し、致死軍と飛竜軍を率いて正面から激突する。乱戦の中で劉唐を失う悲劇に見舞われながらも、自らの手で高廉の首を落とし、自身も腿の骨を折る重傷を負う。救出に来た林冲に対し、焚火を囲みながら自らの凄惨な生い立ちを初めて語り、絆を確かめ合う。

第6章 地損の星

梁山泊に帰還し、杖を突きながらも宋江や呉用と次の戦局について議論する。阿骨打の決起に関する呉用の読み違えを鋭く指摘し、再出撃してくる童貫全軍への警戒を促す。

第18巻「乾坤の章」

第1章 天敗の星

負傷から復帰して再び致死軍に合流する。偵察任務に悩む石勇に対し、童貫は逆手を取ってくるはずだと冷静な助言を与える。

第5章 地奴の星

呉用の策を受け、北京大名府を守る唐昇のもとへ忍び込んで梁山泊への協力を要請し、彼が宋軍を離脱するきっかけを作る。

第7章 地角の星

林冲の死後、呉用の部屋で珍しく酔い潰れるまで酒を飲み、罵り合える友を失った悲しみに暮れながら独り涙を流す。

第19巻「旌旗の章」

第1章 地満の星

致死軍総帥として、犠牲を最小限に抑えつつ最大の政治的効果を狙う冷徹な判断力で開封府急襲を主導する。呉用の策を受け入れ、難色を示す李俊を説得して実行を決意させる。致死軍の主力として燕青らと共に先行して開封府へと潜入し、楊雄を水門防衛という過酷な任務に就ける。

第2章 天威の星

開封府の金明池で宋主の御座船を襲撃する機を窺うが、それが李富による罠であることを見抜き、撤退を判断する。

第5章 天捷の星

開封府から帰還するが、青蓮寺の防諜に阻まれて成果を挙げられず、多くの部下を失ったことを楊令に吐露する。

第6章 天魁の星

陥落する梁山泊で宋江と呉用の自害を悟るが、驚くほど冷静に他人の心中や死への覚悟を鋭く見抜き、武松らを生き残らせるために「宋江は脱出した」と非情な嘘をつく。その後、自身の役割を終えたとして独り別の船で梁山泊を去る。