呼延灼(こえんしゃく)

元禁軍将軍で双鞭という二本の鉄鞭を武器とする重厚な戦闘スタイルを持つ。高い指揮能力と正規軍出身の経験が梁山泊の軍事力を強化する。武骨ながら義に応じる誠実さを持つ人物。

第1巻「曙光の章」

第2章 天孤の星

汝寧州の若き将軍として林冲の口から名前が挙げられた。その軍の精強さは禁軍を凌ぐほどであると言及された。

第7章 地囚の星

生粋の軍人家系であり、現在の軍のあり方に不満を抱いている人物とされる。花栄からもその実力を高く評価されている。

第2巻「替天の章」

第3章 天暗の星

汝寧州の剛直な将軍として名前が挙がり、蔡京によって高俅の軍を鍛え直す役に選ばれる。

第5章 地耗の星

開封府にて高俅の軍に死者が出るほどの激しい調練を課していることが語られる。

第3巻「輪舞の章」

第3章 天機の星

官軍側の有力な将軍として名前が挙がる。梁山泊を脅威と見なした青蓮寺の袁明が、禁軍を動かして山寨を攻める際の指揮官候補の一人として検討する。

第4巻「道蛇の章」

第5章 天殺の星

官軍側の有力な将軍として名前が登場し、禁軍が編制する五千の精鋭討伐部隊の指揮官候補として注目される。梁山泊側からもその実力は警戒されており、いずれ戦場で見えることになるであろう手強い将星の一人として数えられている。

第7巻「烈火の章」

第4章 天勇の星

代州の将軍として五千の兵を率いており、官軍の中でも傑出した実力を持つ将として、魯達や関勝の会話の中でその名が語られる。中央からは疎んじられているが、魯達がその器量を見込み、西への旅の途中で会おうとしている対象として存在感を示す。

第8巻「青龍の章」

第1章 天暴の星

代州の将軍として、関勝とともに北方の防備を担う豪傑として言及される。官軍の中でも屈指の軍略と武勇を持つとされ、梁山泊側は彼らが対峙する未来を予測して危機感を募らせる。腐敗した官界において数少ない「本物の武将」の例として語られる。

第9巻「嵐翠の章」

第1章 天空の星

宋建国の英雄の血を引き、若くして将軍に昇った逸材として李富の関心を引くが、童貫が最も高く評価しているために手が出しにくい存在とされる。

第5章 地暗の星

童貫によって、梁山泊を打ち破るための本物の将軍として推薦される。かつて反逆の噂を立てられたこともあるが、一万五千を超える代州軍を率いて梁山泊に痛撃を与えるための作戦が練られる。

第10巻「濁流の章」

第1章 地威の星

代州軍一万五千を率いて梁山泊への遠征を開始。彭玘・韓滔を盟友として、凌振の砲隊を組み込んだ新戦力で南下する。麦秋を待つという民への配慮を見せながら、連環馬という秘策で決戦に臨む。

第4章 地英の星

寿張の決戦で連環馬と凌振の砲撃を駆使して梁山泊に壊滅的打撃を与えるも、晁蓋の脱出を許す。大名府への戦捷報告中に高俅が軍を私物化し、副官・程順が戦死。帰還後に高俅の所業を知り、部下を守るために自らの命を差し出す覚悟で梁山泊の陣へ乗り込む。

第5章 地刑の星

晁蓋と「志」について対話し、梁山泊への入山を決意。聚義庁に名札が掲げられ正式に同志として迎えられる。穆弘・史進ら過去の敵との怨恨を超えた結束を確認し、本隊総指揮として梁山泊軍の長距離行軍という弱点を克服するための苛烈な調練を開始する。

第11巻「天地の章」

第1章 地然の星

梁山泊本隊の指揮官として樊瑞の隊などに体力が尽きるまで動かす過酷な調練を課す。

第2章 地全の星

九竜寨の残留部隊を率いる杜興と合流し、官軍を撃破する中で彼の兵を立て直す手腕を称賛する。

第4章 天地の星

「呼延灼の試し」と呼ばれる厳格な選別試験を行い補充兵たちの適性を見極める。晁蓋の出陣に際しては留守を任され、李応と合同で新型攻城兵器の運用試験に励む。

第12巻「天地の章」

第1章 地健の星

数千の兵を率いて済州へと進軍し、奪取した城郭の軍事的な制圧を完了させた。官軍の反撃に備えて野戦を展開し、林冲や史進らと連携して北京大名府軍の動きを封じた。

第4章 地蔵の星

北京大名府攻略戦の総指揮を執り、重装備部隊を用いて城門を突破した。占領後は機密保持のため、梁山泊行きを拒む協力者の処断という非情な任務を自ら買って出た。梁山泊が関勝に脅かされると、直ちに全軍を撤収させ、殿軍を務めて宋江を守り抜いた。

第13巻「白虎の章」

第2章 地祐の星

梁山泊本隊の一隊を率い、禁軍の将軍・趙安の軍と対峙する。郭盛に将校としての自覚を促しつつ、趙安の変幻自在な用兵を警戒した。

第3章 地僻の星

趙安との肉薄戦で本陣を衝くが、敵の強固な防御を前に冷静に兵を退く判断を見せた。

第4章 地飛の星

彭玘の壮絶な戦死を項充から聞き、名将としての仮面の裏に隠していた深い悲しみと涙を露わにする。

第14巻「爪牙の章」

第4章 天究の星

軍議にて宿元景の軍を迎え撃つ任務を負い、愛馬・朝影とともに五丈河の戦場へと出陣する。穆弘と連携して趙安の軍を翻弄し、歩兵を引き連れながら広大な原野を縦横に駈け回る。

第5章 地強の星

穆弘が仕掛けた石積みの罠によって敵軍が混乱した隙を突き、趙安の軍から一千頭もの馬を奪い取る。奪った馬に手慣れた兵を乗せて即座に二千五百の騎馬隊を再編し、戦局を有利に導くための機動力を確保する。

第15巻「折戟の章」

第1章 天英の星

梁山泊本隊の総隊長として、流花寨を包囲する宿元景軍に対し、騎馬隊を率いて執拗な攪乱攻撃を繰り返す。戦いが二ヶ月を超える長期戦となる中、関勝の堅実な戦いぶりに敬意を表しつつ、自らは愛馬・朝影とともに戦場を駆け抜ける。

第3章 地遂の星

北京大名府の占拠を維持するため、本隊を率いて急行し、董万の軍と対峙して軍事的な圧力を加える。占拠地を放棄して撤退する際は殿の部隊を支え、無事に全軍を梁山泊へと帰還させる。

第16巻「馳驟の章」

第5章 天牢の星

遊撃隊長に任命された徐寧に対し、一刻を争う実戦における騎馬と歩兵の連携の重要性について重厚な助言を与える。 本隊の一部を率いて梁山泊近辺で厳しい調練を続けており、物語の背景で梁山泊の主力としての存在感を示している。

第17巻「朱雀の章」

第3章 天巧の星

盧俊義の最期を見届けた後、聚義庁の会議に参加し、二竜山や流花寨の防衛について意見を交わす。

第4章 地捷の星

梁山泊本隊を率いて童貫軍との野戦に臨み、敵の変幻自在な陣形に苦戦しながらも、粘り強く防戦を続ける。戦いの中で戦死した関勝から後事を託され、その部下たちを引き受けてさらなる前進を決意する。

第18巻「乾坤の章」

第3章 地速の星

宣賛の進言を受け、かつて自らが梁山泊を苦しめた「連環馬」を童貫軍の歩兵部隊に対して用い、緒戦で劇的な勝利を収める。

第7章 地角の星

梁山泊騎馬隊本隊の指揮官として、女真の地から帰還した楊令に五百騎を預け、実戦さながらの遭遇戦調練で成長ぶりを見極める。林冲亡き後の騎馬隊を継ぐべき将として楊令の資質を誰よりも高く評価し、迷う呉用に対して強く推挙する。

第19巻「旌旗の章」

第1章 地満の星

童貫軍の配置を精査し、その静かな構えの中に潜む闘気を感じ取って警戒を強める。

第2章 天威の星

張清と互いの家族の安全を託し合い、武人としての深い信頼関係を築く。戦場に出ようとする宋江を諫める一方、若き楊令の非凡な騎馬指揮に驚嘆する。

第3章 地醜の星

主力騎馬隊を率いて童貫の精鋭と激突し、楊令が宋江を守るために好機を逸したことに激昂する。戦場を回り、戦友を亡くして泣く兵士を鼓舞するなど、将軍としての器量を見せる。

第5章 天捷の星

夜戦を含む童貫の執拗な攻撃に翻弄され、自軍の騎馬隊が大きな犠牲を出したことに痛恨の情を抱く。

第6章 天魁の星

梁山湖を背にした陣形が童貫の罠であったことを悟り、全軍に撤退と分散を命じる鉦を鳴らす。