馬麟(ばりん)
笛の名手で武芸にも優れた異色の人物。音楽的な才能と武術という稀有な組み合わせを持ち、戦場でもその独特な存在感を放つ。
第6巻「烈火の章」
第4章 天猛の星
鉄笛仙と呼ばれる賞金稼ぎとして、太原府周辺で宋江一行を待ち伏せ、落石などの罠で襲撃する。武松と李逵に制圧され、大事にしていた鉄笛を破壊されるが、宋江から「命を貸す」と説得され、一筋の涙を流す。死を恐れぬ虚無的な態度を見せていたが、宋江の言葉に心を揺さぶられる。
第5章 地劣の星
宋江一行に加わり旅を続けるが、頑なに心を閉ざしたまま無口に従う。子午山に到着した際、宋江の計らいにより、閉ざされた心を癒やすため王進のもとに預けられることになる。別れの際も感情を見せないが、王進の静かな生活の中で新たな修行を始める道が示される。
第7巻「烈火の章」
第3章 地周の星
子午山にて元禁軍武術師範・王進のもとで修行に励んでおり、史進にとっては父や兄弟のような存在としてその名が語られる。直接の戦場には現れないが、王進の厳しい教導を受けながら、梁山泊の未来を担う武人としてその技を磨いている。
第8巻「青龍の章」
第9巻「嵐翠の章」
第4章 地走の星
宋江に命を救われた恩義を返すためだけに子午山で修行を続けてきたが、魯達らの来訪を機に梁山泊へ向かう決意をする。王進によって修復された鉄笛を携え、自身の意志を預けたまま山を下りる。
第5章 地暗の星
禁軍・楊戩との戦いにおいて、林冲の騎馬隊の一部を指揮して卓越した馬術と指揮能力を発揮する。入山直後は冷淡な態度も見せるが、実戦では優れた戦士としての真価を証明する。
第11巻「天地の章」
第4章 天地の星
林冲の指揮下で一千騎を預かり梁山泊の守備を固める。かつて林冲が牧で奏でた鉄笛の音色が史進らの回想を通じて「戦人たちの安らぎ」として語られる。
第12巻「天地の章」
第1章 地健の星
林冲の騎馬隊の一隊を率いて、流花寨を包囲しようとする官軍への攻撃に参加した。索超が加わった新体制下でも、変わらず騎馬隊の指揮官として各地を転戦した。
第2章 地傑の星
燕青が騎馬隊の牧を訪れた際、彼を歓迎するために鉄笛を吹き鳴らした。かつて子午山で王進に師事していた過去が、郁保四や楊令の会話の中で間接的に触れられた。
第13巻「白虎の章」
第5章 地退の星
再建された双頭山の馬不足を解消するため、燕青や段景住とともに北方の牧から馬を調達する任務に就く。魯達の指示を受けて動く中で、壊滅した騎馬戦力の立て直しを支援した。
第14巻「爪牙の章」
第1章 地急の星
一千騎の騎馬隊を率い、林冲や索超とともに戦術の協議や調練に励む。双頭山への派遣が決まった扈三娘を気遣い、料理を取り分けるなど、寡黙ながらも優しさを見せる。
第15巻「折戟の章」
第1章 天英の星
双頭山の戦線で林冲と共に騎馬隊を率い、草原で馬に草を食ませながら次の戦機を伺う。兵糧を守って力尽きた宋清と楽和の最期に立ち会い、沈黙する原野で楽和の歌声に合わせて静かに鉄笛を吹き鳴らし、亡き同志を追悼する。
第16巻「馳驟の章」
第1章 天貴の星
梁山泊軍の配置替えにより、林冲の指揮下で五百騎ずつの二隊を率いる隊長に任命されたことが記されている。林冲が柴進に具足をねだる際、彼の部隊の分も合わせて要求されている。
第4章 地数の星
騎馬隊の将校として、部隊の編成表にその名が記されていることが確認できる。
第17巻「朱雀の章」
第2章 地巧の星
子午山の楊令との回想の中で、かつて川辺で鉄笛を吹いていた姿が描かれる。無口ながらも少年の楊令に時折話しかけるなどの交流があり、その笛の音色は楊令の心に深い印象を残している。
第3章 天巧の星
五丈河での童貫軍との決戦に、一千の騎馬隊を率いて参戦する。林冲の指揮下で第三段に控え、敵軍の追撃や掃討戦においてその機動力を発揮する。
第5章 地狂の星
高廉の軍との死闘において、林冲とともに凄まじい疾駆を見せて敵を殲滅する。戦闘後、右脚を負傷した公孫勝の傍らで薪を燃やし、彼の凄惨な過去の独白を静かに見守る。
第18巻「乾坤の章」
第2章 地獣の星
林冲や索超とともに陽動任務を終えて野営地に戻り、戻ってきた楊令を囲んで焚き火を囲み再会を祝う。
第7章 地角の星
酆美軍への強襲に参加し、林冲と共に扈三娘救出のために敵の四千騎と激しくぶつかり合う。林冲亡き後、楊令が特別な部隊である林冲騎馬隊の指揮を執ることに対して、索超らと共に賛成の意を示す。
第19巻「旌旗の章」
第1章 地満の星
野営地で楊令と焚火を囲み、過去に激情から親友を殺めてしまったという深い傷と贖罪の念を初めて語る。若きリーダーとして楊令を認め、林冲とは異なる形で影ながら彼を支える。
第2章 天威の星
童貫軍に対して見事な逆落としを成功させ、楊令からその軍略の冴えを高く評価される。
第4章 地明の星
童貫の首を狙って再び逆落としを仕掛けるが、敵の増援に阻まれて負傷する。毒が全身に回るのを防ぐため、李逵の板斧によって右脚を膝下から切り落とされる。
第5章 天捷の星
義足をつけ、不屈の闘志で戦場に復帰する。楊令や史進の側面を掩護し、なおも執拗に童貫を追い続ける。
第6章 天魁の星
呼延灼の指揮下で激痛に耐えながら戦い抜き、脚を失ったことで却って迷いが消えたと評される。梁山泊への撤退戦を最後まで支え続ける。