董万(とうばん)
北京大名府の運送業を営む家の出身で、武挙に合格した実力派の将軍。部下の犠牲を出すことを「馬鹿げている」と断じ、常に最少の損害で最大の成果を得ることを追求する合理主義者。
第13巻「白虎の章」
第1章 天剣の星
北京大名府の上級将校から、聞煥章の抜擢により三十歳の若さで将軍に就任する。独自の判断で軍の改革を断行し、短期間で北京大名府軍を精強な組織へと変貌させた。
第3章 地僻の星
北京大名府をほぼ空城にするという大胆な決断を下し、双頭山を北から奇襲して壊滅的な打撃を与えた。春風山と秋風山を陥落させるべく、犠牲を最小限に抑える周到な攻囲戦を展開したが、秦明らの救援到着を受け、深追いを避けて整然と撤退した。
第14巻「爪牙の章」
第5章 地強の星
北京大名府の将軍として四万の軍を率い、二竜山の清風山を目標に定めて周到な攻囲戦を展開する。投石機を投入して砦の防御を一枚ずつ剥がし、燕順ら守備兵をなぶり殺しにするような冷徹な戦法を採る。燕順が命懸けで落とした大岩により多大な犠牲を出すが、逆上して砦を力押しで制圧し、燕順を戦死させる。清風山を陥落させたものの、燕順の計略によって退路を断たれ、二竜山本営への進撃を阻まれる結果となる。
第15巻「折戟の章」
第3章 地遂の星
二竜山の包囲戦において、秦明の粘り強い防御に手を焼きながらも膠着状態を維持する。北京大名府占拠の報を受けて急遽撤退の勅命が下ると、武人としての無念を抱えながら軍をまとめ、北京大名府へと引き揚げる。
第5章 地察の星
北京大名府の失陥について責任を問われるが、当時は二竜山を攻囲中であったことから不問に付される。奪回した北京大名府の守備に戻るが、林冲や史進らの梁山泊軍に城外で牽制され、対峙を続ける。
第16巻「馳驟の章」
第2章 地雄の星
かつて二竜山の清風山を攻め、壮絶な抵抗を見せた燕順を討ち取った猛将として郝思文に回想される。
第4章 地数の星
北京大名府の将軍として、青蓮寺が主導する地方軍の再編・強化計画の中で、自らの管轄区域を死守する一翼を担っている。
第17巻「朱雀の章」
第2章 地巧の星
北京大名府の将軍として、春風山・秋風山の梁山泊軍を降伏させようとする梁世傑に同行を申し出る。しかし、格下の周信の指揮下に入ることを潔しとせず、梁世傑や戴宗との間で指揮権を巡り対立する。
第4章 地捷の星
聞煥章が突き止めた闇塩の道に対し、二万の軍を率いて迅速に出動する。四本の道を完全に封鎖し、関係者六百名を捕縛するという大規模な摘発作戦を完遂させる。
第18巻「乾坤の章」
第5章 地奴の星
北京大名府の指揮官として、帰還した唐昇の提示する偽の命令書と状況証拠に対応を迫られる。失敗を恐れる慎重な性格ゆえ、かつての上官への対抗心と不信感の間で判断を翻弄される。唐昇の巧みな誘導に乗り、主力一万五千を率いて双頭山方面へ出撃してしまい、手薄になった北京大名府の占拠を許す。
第7章 地角の星
北京大名府を奪回した童貫により、失態の責任を問われて下級将校に降格される。自らの過失を認めず周囲に不満を漏らしたため、童貫から見限られて晒し台に縛り付けられ、5日間の晒し刑の末に衰弱死する。