高俅(こうきゅう)
北宋禁軍の大将。帝の寵愛を背景に権力を握り、武芸の素養は持ちながらも権謀術数を好む腐敗した権力者。個人的な怨恨を組織の力で晴らす冷酷さを持ち、梁山泊の英雄たちにとっての宿敵として君臨する。
第1巻「曙光の章」
第1章 天罡の星
新任の禁軍大将として権力を握り、過去の怨みから王進を陥れようとして彼を脱出に追い込んだ。
第4章 天雄の星
林冲を卑劣な罠に嵌めて捕縛し、さらにその妻を自害に追い込むなど冷酷非道な振る舞いを繰り返した。
第8章 地霊の星
滄州へ流された林冲をなおも執拗に追い、刺客を送り込んで殺害を命じるなど、英雄たちの宿敵として君臨し続けた。
第2巻「替天の章」
第3章 天暗の星
禁軍大将でありながら、帝の前で行われた合同演習にて童貫の軍に完敗し、軍の懦弱さを露呈させた。蔡京の決定により、呼延灼に軍の調練を実質的に奪われる形となったが、自身は帝の蹴鞠の相手を務めることでその寵愛を繋ぎ止めた。
第5章 地耗の星
地方巡検視から戻った楊志を無能と罵り、禁軍から青州軍へと左遷した。過去の因縁から楊志を嫌っており、彼が禁軍を去る際に執拗な侮辱を加えて笑い飛ばした。
第3巻「輪舞の章」
第3章 天機の星
禁軍の大将の一人として名が挙がるが、その軍は単なる「飾り」に過ぎないと呉用らから酷評されている。組織の中枢にいながら、実戦には向かない腐敗した将軍の典型として描かれる。
第6章 地好の星
袁明からの軍事出動要請を「戦ではない」と一蹴し、現状維持を優先する無能さを露呈する。かつて部下であった朱仝を個人的な嫌悪から左遷するなど、私情で人事を操る腐敗した権力者としての側面が強調される。
第4巻「道蛇の章」
第1章 天退の星
有能な軍人を冷遇して追放する彼の性質が、結果として林冲や楊志、朱仝といった梁山泊側の英傑を生み出している皮肉な現状が青蓮寺により指摘される。
第3章 地孤の星
侯健の報告により、開封府で賄賂を受け取りつつも禁軍の腐敗を放置し、形ばかりの軍勢を維持している現状が語られる。
第5章 天殺の星
童貫が主導する精鋭部隊の編制に対し、自身の権益を脅かすものとして反発を示していることが示唆される。
第5巻「玄武の章」
第2章 地闘の星
禁軍内部の派閥争いの中心人物であり、宿元景の失脚を狙う狡猾な存在として描かれる。袁明と蔡京の政治的取引により、実戦指揮から外され、帝を直接守る儀仗兵の隊長へと実権なき昇進をさせられる。
第3章 地会の星
形式的には二万の軍を率いる立場となるが、実際には戦う力を削がれた名誉職に近い形に棚上げされている。
第6巻「烈火の章」
第2章 地文の星
軍功を焦って秦明のような有能な将軍を冷遇し、結果として彼らを梁山泊側へ追いやる腐敗した官軍の象徴として批判される。
第4章 天猛の星
袁明や蒼英の工作によって実権のない儀仗兵の地位に棚上げされ、禁軍の指揮系統から事実上排除される。
第5章 地劣の星
聞煥章が提示した軍の近代化改革においても、排除されるべき旧弊な将軍の一人として見なされている。
第7巻「烈火の章」
第4章 天勇の星
かつて禁軍において、自らと対立した関勝を地方へ追いやった過去が語られる。常に隙を窺い、関勝が失敗することを待ち望んでいる官界の黒幕として描かれる。
第5章 地賊の星
定州の指揮官に自らの縁者である若造を据えるなど、軍の人事に私情を挟む様子が示唆される。祝虎の禁軍将軍への昇格にも、彼の意向が関わる政治的な背景として存在感を見せる。
第9巻「嵐翠の章」
第1章 天空の星
禁軍の権力者として、呂方の父・呂栄を捕縛・自裁に追い込んだ元凶としてその名が登場する。第3章:青蓮寺の報告において、地方軍が多額の軍費を保有していることを怪しみ、禁軍元帥の童貫に対して出動を促すなど、梁山泊への圧力を強める動きを見せている。第5章:帝に取り入って勝手な振舞いをしており、童貫が推す趙安の将軍昇格を妨害するなど、禁軍内部での政治的な暗闘を続けていることが語られる。
第10巻「濁流の章」
第2章 地軸の星
禁軍一万を率いて寿張に参陣。凌振の砲隊を「足手まとい」と断じ、豪華な陣舎に籠もって現場の武人たちから疑問視される。
第4章 地英の星
呼延灼不在の間に指揮権を掌握し、程順に無謀な再戦を強制。自軍を一兵も損なわず後方に温存したまま敗北を現場に押し付ける。結果として呼延灼の離反を招く。
第5章 地刑の星
梁山泊に大敗した結果を「大勝利」と誇示し、呼延灼に戦捷報告のための大名府行きを命じる。
第12巻「天地の章」
第4章 地蔵の星
禁軍の将軍として名前が挙がるが、趙安からは「高俅の軍など、軍ではない」と酷評されている。軍事的な実力よりも、権力への執着や宮中での立ち回りに重きを置く人物として位置づけられている。
第13巻「白虎の章」
第4章 地飛の星
禁軍の将軍として皇帝の側近に侍り、講和などの政治的な駆け引きを通じて梁山泊の力を削ごうと画策する。かつてのような無謀な軍事行動は、青蓮寺の工作によって抑制されつつあるが、依然として宮廷内での狡猾な立ち回りを続けている。
第14巻「爪牙の章」
第4章 天究の星
禁軍の将軍として一万の兵を擁し、梁山泊包囲網の一角を担う存在として名簿に記されている。
第6章 地猛の星
開封府に留まり、童貫元帥が他の将軍の軍費を優先的に融通したことに対して、強い不満を抱いている様子が語られる。
第15巻「折戟の章」
第3章 地遂の星
梁山泊の工作によって北京大名府占拠の情報をいち早く掴み、蔡京を出し抜いて帝に報告することで、停戦の勅命を引き出す。
第6章 地奇の星
自らの私邸に仕立屋の侯健を呼び、梁山泊との講和交渉の窓口を広げるよう命じる。講和を自身の政権奪取の道具として利用しようと画策し、侯健を試すために戴宗を秘かに連れてくるよう迫る。
第16巻「馳驟の章」
第1章 天貴の星
開封府郊外で戴宗や侯健と密会し、梁山泊との講和を模索する。宋江に宰相の器があるという戴宗の言葉に揺さぶられるが、かつて自分を裏切った林冲と呼延灼については処断を譲らない冷酷さを見せる。
第17巻「朱雀の章」
第1章 天立の星
侯健や解珍を介して梁山泊との講和交渉を主導し、帝に奏上して一時的な停戦の勅命を引き出す。自らの保身と栄達のため、梁山泊を降伏させようと企む。
第2章 地巧の星
講和が梁山泊側の時間稼ぎであったことを見抜き、逃げ遅れた侯健を捉えて庭で惨殺する。自身の権威を汚した者への復讐として、侯健の家族をも巻き込む凄惨な処刑を執行する。
第18巻「乾坤の章」
第1章 天敗の星
自らの肝入りで名工・葉春に巨大船「海鰍船」を建造させ、水軍の増強を図る。
第5章 地奴の星
梁山泊に北京大名府を占拠された際、これを利用して停戦の勅命を出させようと企てる。しかし、激怒した童貫から「今度勅命が出れば首を飛ばす」と禁軍府で直接脅され、その威圧に沈黙を余儀なくされる。
第19巻「旌旗の章」
第2章 天威の星
かつて自らが陥れた王進の名が楊令の背後にあることを知りながら、侯蒙の監視下に置かれ、皇帝の側で沈黙を守り続ける。かつての宿敵の存在を前にしても、うかつに動けない立場に追い込まれている。
第3章 地醜の星
軍費を横領して私邸を築いた証拠を李富に握られ、青蓮寺の手駒として従わざるを得ない屈辱的な立場に置かれる。かつての権勢は影を潜め、弱みを握られたまま身動きが取れずにいる。
第5章 天捷の星
宰相の座を狙って廷臣の抱き込みを試み、皇帝を蹴鞠に誘って機嫌を伺うなど独自の権力回復策を模索する。だが、その動向はことごとく侯蒙に警戒され、思うように事が運ばない。