酆美(ほうび)

禁軍の副官。童貫の有能な副官として精鋭部隊を指揮する武将。正規軍の訓練を積んだ実力者で、その軍事技術が梁山泊との戦いで発揮される。

第4巻「道蛇の章」

第5章 天殺の星

童貫の副官であり、将軍格の実力を持つ。新設される精鋭討伐軍の指揮官候補として名が挙がる。

第6章 天速の星

禁軍の中では卓越した力量を持つ武将として認識されており、梁山泊にとっては重大な脅威となる存在である。

第7巻「烈火の章」

第5章 地賊の星

童貫の副官として、弛緩していた禁軍の軍紀を厳しく引き締める役割を担っている。呉用の分析の中で、彼の働きによって禁軍が以前よりも強固な組織へ変貌しつつあることが警戒される。

第8巻「青龍の章」

第3章 天富の星

禁軍の幕僚であり、童貫元帥の副官を務めている。梁山泊の勢力を正しく分析しており、彼らが単なる賊徒ではなく、精強な組織であることを理解している数少ない軍人の一人である。物語の前面には出ないが、官軍中枢で冷徹に戦況を見つめる存在として名が挙げられている。

第13巻「白虎の章」

第4章 地飛の星

畢勝とともに童貫の副官を務め、禁軍の精鋭を統率する立場にある。聞煥章による軍事力の分析において、趙安や宿元景を凌ぐ手強さを持つ指揮官であると言及された。

第14巻「爪牙の章」

第6章 地猛の星

童貫の副官として、軍営の奥で元帥とともに梁山泊軍の特異な戦ぶりを分析し、戦局の帰趨について意見を交わす。畢勝と入れ替わる形で五千の兵の指揮を執り、食糧も水も持たずに一ヶ月間山中を跋渉する極限の行軍調練へと出立する。

第15巻「折戟の章」

第5章 地察の星

童貫の副官として禁軍府に詰め、李富らとの軍議に出席する。宿元景の死後、一万五千にまで補充された軍を童貫軍の予備隊として管理し、再戦に向けた基盤作りに従事する。

第16巻「馳驟の章」

第1章 天貴の星

童貫の副官として、開封府で禁軍の維持にあたっている。童貫が精鋭を率いて過酷な野外調練に出る間、畢勝とともに留守を預かる役割を担う。

第6章 地陰の星

袁明亡き後の青蓮寺を率いる李富の動向や、童貫による開戦準備が進む中で、禁軍側の重要将校としてその存在が記されている。

第17巻「朱雀の章」

第1章 天立の星

童貫の副官として双頭山攻めの実質的な指揮を執り、かつての部下である董平を野戦でじわじわと追い詰める。熟慮の末に無駄な動きを排した堅実な用兵を見せ、董平に迷いが生じた隙を逃さず、一日で拠点を制圧する功を挙げる。

第4章 地捷の星

二万の軍を率いて二竜山の後方に陣取り、梁山泊側が安易な野戦に出られないよう強力な圧力をかけ続ける。

第6章 地損の星

二竜山の包囲戦において趙安の寨が完成したのを見届け、童貫の次なる大攻勢に備えるため、全軍を率いて開封府へと引き揚げる。

第18巻「乾坤の章」

第2章 地獣の星

童貫の副官として連環馬の攻撃を受けた際、一万の兵を失った責任を負って死を覚悟するが、童貫から雪辱の機会を与えられる。

第3章 地速の星

名誉挽回のために魚鱗の陣を率いて梁山泊本隊を猛攻し、敵を童貫のいる方陣へ近づけさせないよう必死の指揮を執る。

第6章 地平の星

童貫の右腕として軍の再編や実務を統括する。失態を演じた董万に一度は温情を乞う場面もあるが、最終的には軍の規律を優先する童貫の判断に従う。

第7章 地角の星

童貫の腹心として先鋒二万の指揮を任され、元帥の意図を汲んで電撃的に進軍を開始する。梁山泊の本営近くまで一気に迫り、孤立した扈三娘の騎馬隊を包囲して手痛い一撃を加えようと試みる。しかし、扈三娘を救うべく独断で突撃してきた林冲の凄まじい勢いに圧倒され、歩兵のただ中にありながら林冲の槍で胸を貫かれ、その首を飛ばされて壮絶な戦死を遂げる。

第19巻「旌旗の章」

第2章 天威の星

前巻での林冲との死闘に敗れた顛末が語られ、その死が童貫や畢勝に大きな衝撃を与えたことが描かれる。生前は畢勝とともに童貫軍を支える柱石であったことが回想され、二人三脚で禁軍を率いてきた実績の重さが偲ばれる。

第5章 天捷の星

部隊再編の場において、失われた有能な将官の筆頭としてその名が改めて挙げられる。童貫が自軍の損耗の大きさを痛感する中で、その不在の穴の大きさが惜しまれる。